米子といえば…マーでしょ!

 阪神マット・マートン外野手(32)が12日、復活宣言だ。体調不良による巨人戦(甲子園)欠場から一夜明け、広島2連戦のため空路、米子に移動。「体調は大丈夫だよ」とOKサインだ。前回10年、米子2連戦は満塁弾など8打点、打率5割5分6厘と大暴れ。境港から米子に走る「鬼太郎列車」に負けじとマママのマートンが盛り上げる。

 ヨナゴ…、米子…。日が暮れた神戸空港で報道陣の囲み取材を受けたマートンは思考を巡らせた。無理もない。米子でプロ野球の公式戦が開催されるのは4年ぶり。1年間に144試合戦う中、近そうで遠い過去の出来事だ。それでもマートンは記憶をたどり、切り返した。

 「今、言われて思い出したよ。右のスライダーピッチャーかな?

 ホームランを覚えているよ」

 前回10年も広島戦だった。延長11回、4時間19分の死闘にケリをつける1発。広島梅津から米子の夜空に満塁アーチをかけた。翌23日も打ちまくり、2試合で9打数5安打8打点。鬼太郎の目玉おやじも驚く?

 暴れっぷりだった。日本で588試合出場している助っ人でも覚えているわけだ。

 「(13日の出場は)そのつもりでいるよ。いつでもゲームに出たいと思っている。ただ昨日はあの状態で出たらチームに迷惑がかかると思ってね」

 前日11日、点滴を打つほど下痢がひどく今季初めて試合を欠場。広島・由宇で2軍戦に出場予定だった緒方が急きょ甲子園に向かうほどで、マートンの状態が心配された。

 「(体調は)大丈夫だよ。まだしっかり食事は取れていないけれど、パンケーキは食べたよ」

 一夜明け、笑顔満点のマートンが帰ってきた。和田監督は「明日状態を見てから」と慎重に当日判断する構えだが、3ゲーム差を追いかける首位広島戦となれば、4年前の再現を期待せずにはいられない。

 米子周辺の新観光スポット「ベタ踏み坂」にちなみ、マートン号もフルスロットルで再発進する。【松本航】

 ◆マートンin米子

 10年6月22日広島戦の延長11回、9-7と勝ち越したあとなおも2死満塁と攻め、マートンが右翼席へダメ押し本塁打。延長戦表のイニングの満塁弾は、球団史上初だった。翌23日には、4安打4打点で快勝に貢献。2戦連続の4打点以上は来日初だった。また、鳥谷もこの2試合で計10打数7安打3打点と打ちまくった。