肋骨(ろっこつ)骨折などで離脱中の阪神西岡剛内野手(29)が13日、負傷後初めて鳴尾浜で練習した。ダッシュ走や約50メートルのキャッチボール、室内では打撃練習も行った。3月30日巨人戦で鼻骨と左右の第1肋骨を骨折、左肩鎖関節を脱臼。4月30日に甲子園の室内でリハビリを開始していたが、過去の症例からいくと、交流戦明けの6月復帰も現実的に見えてきた。

 青空に「7」が映えた。西岡が負傷後初めて鳴尾浜に現れた。背番号入りの白シャツにハーフパンツ、サングラスからは笑みがこぼれた。ジョギングで体を温めてから、右翼後方の坂道で繰り返しダッシュ。白球の感触を確かめるようにキャッチボールしていると、歩み寄ってきた掛布DCとガッチリ握手した。やや色白になった笑顔は、太陽のもとで輝いていた。

 「動けない状態でグラウンドに来ても、シーズン始まってますし、チームにプラスにならないと思った。球団に無理言って『1カ月時間を下さい』と動いてましたから。こんなに動けているのを見て、みんなビックリしてるんじゃないですか。1カ月ぐらい雲隠れして外でやっていたので」

 開幕3戦目だった3月30日巨人戦で負傷した。打球を追って交錯し、後頭部を強打。気を失ってから動けず、グラウンドから救急車で搬送された。鼻骨と左右の第1肋骨(ろっこつ)を骨折、胸部を打撲し、左肩鎖関節も脱臼していた。

 「骨にいいとか、体にいいとか、いいと聞いたことは全てやってきた。温泉にしても食べ物にしても。整体やマッサージ、今できること全てをやってきたつもり」

 4月30日に甲子園の室内でリハビリを始めた。既にキャッチボールやティー打撃もやっていたという。リハビリの合間には、甲子園で試合も観戦。東京ドームで救急車に乗る時に聞こえたのは、阪神と巨人両軍ファンの「頑張れ」コールだった。はやる気持ちは抑えながら、プロ野球選手としての喜びをかみしめた。

 「1日も早く復帰することを目的にするのは揺るがない。心は急いで、頭は冷静にコントロールしながら。早く復帰したいという気持ちになったのは、ファンの皆様やチームメートの言葉のおかげ。期待に応えたい。早くユニホーム着て球場でプレーしたい」

 完治していない両肩の動きは気にしていた。和田監督も「まだまだかかるよ」と言ったように、焦らずにリハビリは進めていく。ただ過去の例を見れば、ティー打撃などを始めて1カ月ほどで1軍復帰するケースが多い。交流戦が明ける6月下旬の復帰も見えてきた。「雲隠れ」は終了、今後は鳴尾浜を中心に実戦突入を目指す。恩返しの意気に包まれた西岡が、確かな1歩を踏み出した。