<DeNA2-7中日>◇13日◇バッティングパレス相石ひらつか

 「火曜日の男」が無傷の4勝目だ。中日山井大介投手(36)が今季最多120球の熱投で7回2失点と踏ん張った。4回にはバスターで左翼線へ適時二塁打を決めるなどバットでも勝利に貢献。6連戦の初戦で白星をつかんだ。腰を痛めたエース吉見は1軍復帰が遅れることが確実。開幕からローテを守り続ける代役エースがチームを引っ張る。

 打席に立った投手山井が、またバットで自分を助けた。1点リードの4回無死一、二塁。バントを決めきれず追い込まれてから、DeNA久保のスライダーを思い切り振り抜くバスターだ。打球は左翼線を勢いよく転がった。

 「バントで送って1死二、三塁のはずですけど…完全ミスです」

 打った山井は苦笑いだが、この適時打が今季3打点目の大当たり。この試合2本目となるヒットがチームを完全に乗せた。相性がいいのか、中日はこれで06年にデニー(現投手コーチ)が村田にサヨナラ打を浴びた敗戦を最後に平塚で4連勝だ。

 “好打者”は本職のマウンドでも冷静だった。両翼91メートル、中堅120メートルと小さな球場。2回に荒波に左翼フェンス直撃の適時打で先制点を許した。「荒波のあの打球がフェンスに当たるくらいですから。とにかく低めを意識した」。以降は丁寧にコーナーを突き、失点は4回のバルディリスに浴びた本塁打だけ。4月16日DeNA戦で3勝目を挙げてから見放されていた白星を、約1カ月ぶりに手にした。

 ウイニングボールを大事そうに受け取った。5月10日に誕生日を迎え、36歳初勝利。区切りの記念球かと思いきや「娘のためです。誕生日に何も出来なかったので」。4月28日に5歳のバースデーを迎えた長女へのプレゼント。優しいパパはニコリと笑った。

 負けていれば5位DeNAにゲーム差なしに迫られていた。チームの危機を救った“1人投打のヒーロー”に谷繁兼任監督も「ずっとゲームをつくってくれている。やっと勝ちがついた」とうれしそうだ。開幕から先発ローテを守り7試合に登板。防御率は巨人菅野、広島前田に次ぐリーグ3位の2・60。エース吉見が出遅れるなか、しっかりと代役を務めている。【桝井聡】