<ロッテ3-2ソフトバンク>◇14日◇QVCマリン

 シャイな男のバットが試合を決めた。延長11回2死一、二塁。ロッテ荻野貴司外野手(28)は初球141キロを振り抜いた。中堅手の頭上を越えた打球は自身初のサヨナラ打。チームにも今季初のサヨナラ勝ちをもたらし、「思い切っていこうと思っていた。狙い通り、真っすぐ1本に合わせていきました」と満面の笑みで振り返った。

 直前の2つの美技がヒーローへの下地だった。11回1死一、二塁のピンチで、「投手が粘って投げてくれていたので、必死に捕りました」と、フェンス際と左中間への大きな飛球をそれぞれ好捕。抜けていれば勝ち越し点を与えていただけに、伊東監督も「守りで2つ阻止していたから、野球の神様がチャンスを与えてくれたのかな」と、守備での貢献をたたえた。

 8戦連続で4得点以内で前夜はゼロ封負け。不振の打線に、同監督は「全体的に振りが弱く感じる。うちの選手は直球をファウルすることが多い」と指摘していた。荻野貴は厳しい言葉を受け止めながらも「姿勢でみせようと思った」。全力で直球をとらえる姿勢が、殊勲打につながった。

 そんな強気な男も、お立ち台では一変。この日の試合は「スーパーレディースナイト」。詰め掛けた多くの女性ファンに向けて発した言葉は「応援ありがとうございました」と真面目そのもの。「そういうのは苦手なんで」と苦笑いしたが、このギャップがチーム人気NO・1選手の秘密なのか…。試合後は約2500人の“ロッテ女子”とハイタッチ。粋なコメントはできないが、本職で女心をわしづかみにした。【佐竹実】