交流戦スペシャルだ!

 今日20日に開幕する「2014

 日本生命セ・パ交流戦」を前に19日、広島野村謙二郎監督(47)がスペシャルプランの可能性を口にした。2軍にいるライネル・ロサリオ外野手(25)を1軍に昇格させ、エルドレッド、キラと助っ人3人を並べる超攻撃打線の構成だ。苦手の交流戦を克服すれば、栄冠への夢はさらに広がる。

 好調カープは大胆な選手起用にもつながりそうだ。今年の交流戦は、セ・リーグの本拠地で指名打者制が採用される。広島の日程では25日からの西武、ロッテの4試合がまずその方式になる。野村監督はここを狙っている。

 「DHなら先発投手が長く投げられるし(早めの)代打がないからね。先発が投げている間に、先制されても得点を重ねていくという選択肢もある。そのための考えもある」

 名前こそ挙げなかったがプランの中身はズバリ、助っ人3人制だ。ミコライオに代わって昇格したフィリップスがいまひとつピリッとしない。まずは開幕のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)、オリックス戦(ほっともっと神戸)とDH制のない4試合で様子を見て、状況によってフィリップスに代え、ロサリオを上げようという腹づもりだ。

 ロサリオはキラの故障に伴い、4月下旬に1軍昇格。8試合で27打数9安打の打率3割3分3厘、2本塁打と活躍。しかしキラの復帰に伴い、今月2日に出場選手登録を抹消された。それでもファームで3割2分4厘を打ち、好調を維持。好調のエルドレッド、キラに加われば、巨人にも負けない超重量級打線の構成が期待できる。

 交流戦は広島にとって負のイメージだ。特に野村監督が就任してからは4年連続で負け越している鬼門。しかし今季に限っては貯金12、セの首位で臨む。これまでとは違う。そんな思いを指揮官も持っている。

 「選手も新しい歴史をつくる気持ちでやっている。去年は球団初のクライマックス・シリーズ進出、今度は勝ち越しとなれば」

 大胆なプランを胸に、野村カープが鬼門を突破するかもしれない。【編集委員・高原寿夫】