<巨人4-3日本ハム>◇26日◇東京ドーム

 故障から復活し、値千金の一打を放った。巨人中井大介内野手(24)がプロ初のサヨナラ打で、連勝を呼び込んだ。同点の9回1死二塁から、三塁線を破る適時二塁打で試合を決めた。昨年8月の左膝負傷、キャンプでは右肘痛と度重なるケガを乗り越え、今季出場2試合目でチームを救った。

 ヒーローに駆け寄る側ではなく、仲間が自分の元に突進してきた。9回1死二塁。中井が日本ハム守護神増井の外角スライダーを引っ張った。打球は三塁線をライナーで越えて行く。プロ、アマ通じ、野球人生初のサヨナラ打。「三塁手の頭を越えて確信した。サヨナラ打に縁遠かった。チャンスはあったけど」と初体験の感動を振り返った。

 お立ち台へ向かう前、阿部から「最高です、と言ってこい。最強でもいいな」と送り出された。頂上で「最強に最高で~す!」と叫んだ。「ごちゃ混ぜにしました」と決めゼリフも最上級に仕上げた。

 昨季はレギュラー獲得まで、あと1歩に迫った。打率3割で二塁手の座をほぼ不動にしていた。だが8月の阪神戦で左膝靱帯(じんたい)を損傷。日本シリーズで復帰したが、オフには片岡がFA移籍で入団してきた。キャンプは左膝痛の影響も残り2軍スタート。キャンプ終盤には右肘痛も起こした。レギュラー定着どころか、1軍の舞台から大きく遠のいた。

 度重なる故障は、肉体の問題点を気付かせてくれた。「ケガをすると他の場所にも影響があると言いますが、左膝も痛めていて、どこかバランスが悪くなっていたのかも。上半身に力が入りすぎて、肘に来たのかもしれない」。キャンプで臨時コーチを務めたOB松井秀喜氏の指摘にも合致していた。「松井さんには打撃で『下半身を使え』と言われた。ハッと気付かされました」。転換期にした。

 下半身主導の打撃で、昨年より体重が自然に約3キロ増えて87キロ。大地に根を生やしたような鋭い腰の回転で、今季2度目のサヨナラ勝ちに導いた。23日ロッテ戦から1軍に昇格させ、今カードは2戦連続で1番に抜てきした原監督も「1番打者が苦しむ中で白羽の矢を立てたが、存在感を見せてくれた」と絶賛した。「これからが僕の開幕です」。中井が再び躍動の時を迎える。【広重竜太郎】