よみがえれ、大和-。阪神は、26日のロッテ2回戦が雨天中止で今日27日に振り替えとなった。甲子園室内練習場では打撃不振の2番大和外野手(26)が和田豊監督(51)からマンツーマン指導。5月の打率が1割6分と悩める2番打者は打線が勢いを取り戻すためのキーマンでもある。1日の空白が“恵みの雨”となるか、答えはバットで出すしかない。
屋根をたたく雨音が響いていた。中止が決定する前の甲子園室内練習場で、ナインは試合に向けて練習を行っていた。その中に黙々と汗を流す大和がいた。通常の打撃練習、ノックを終えた後、打撃コーチに呼ばれた。室内練習場の一番奥のケージで和田監督が待っていた。マンツーマンでの打撃練習が始まった。指揮官が最も気になっていたのはやはり、打線のつなぎ役だった。自ら白球を握ると、スローボールを投げてくれた。大和はそれを1球、1球、力を込めて打ち返した。雨音が激しくなる中、2人だけの時間が続いた。
「悪かったな。肩が弱いんや」
午後4時、練習を終えた和田監督は緩いボールの意図を問われると、こう冗談めかした。もちろん、肩が弱いはずがない。白球にはきっちりとメッセージが添えられていた。
「下(半身)が浮いているから高めに手が出る。これからゲームやから、これ以上は言えないけど」
緩いボールは下半身を使って、きっちりとしたフォームで打たなければ、強く打ち返せない。足腰を使った打撃を思い出させる意味があったようだ。
開幕から驚異的な爆発力を見せた打線の火付け役はじつは大和だった。開幕10試合で打率は4割近く、大和が相手投手にボディーブローを浴びせ、クリーンアップがKOパンチを繰り出すパターンだった。5月に入ると下降線をたどり始めた。14日広島戦ではプロ1号を放ったが、その直後から、ここまで29打数3安打と再び低迷…。上本が1番打者に復帰したものの、やはり、大和不振の影響は大きい。
「練習で楽に打つより、練習で窮屈に打って、試合で楽にスイングした方がいいんじゃないかと言われました。相手(投手)が崩そうとしてくるのは当然。修正できるポイントがつかめればいいんですが…」
大和はマンツーマン指導の一端を話すと、スローボールに込められた指揮官の言葉をかみしめた。中止が決まったのはその直後。トンネルの出口を探す大和に、天が1日の空白をくれた。【鈴木忠平】
◆今季の大和
開幕戦の3月28日巨人戦は3打数3安打、翌29日も4打数3安打した。3、4月はマルチ安打8回で打率2割8分7厘。5月に入ると1、2番でコンビを組んでいた上本が負傷離脱して二塁を守ることも増えた。16日DeNA戦から8試合で計3安打と後半は調子を落とし月間で75打数12安打、打率1割6分。



