<阪神2-0ロッテ>◇27日◇甲子園

 阪神マウロ・ゴメス内野手(29)が4番の仕事をした。緊迫の0-0で迎えた4回、無死一塁での打席。ロッテ涌井はカーブから入ってきた。初戦から緩いボールでタイミングを崩そうという相手バッテリーの攻めが続く。だが、狙いは1つだった。2球目もカーブ。ここで鳥谷が走った。二塁を陥れた。球場がざわめく。それでも意識は不変だった。

 「球種というよりもゾーンで待っていたので、あまり気にならなかった。真っすぐがあまいところにきたのを仕留められた」

 3球目。待っていた真ん中付近のゾーンにきたストレートに反応。強烈な打球が左翼線に弾んだ。藤浪の復活星をアシストする大きな先制点をもぎ取った。じらすような相手の配球にも、状況の変化にも動じない集中力が光った。

 これで交流戦は21打数4安打、打率こそ1割9分と低いが、4本のうち3本が打点付き。そして、そのうち2本が決勝打だ。交流戦前、ゴメスのデータはすでにパ・リーグ各球団がそろえている。初めて対戦する投手が“弱点”を探して攻めてくる。少ないチャンスの中で、勝利に直結する仕事をしている。

 「あの盗塁は試合の中で重要だった。自分としては意識を変えることはなかったけどね」

 4番打者は、3番鳥谷が決めた8個目の盗塁をたたえた。鳥谷が出て、走ってゴメスがかえす。高校野球で甲子園の英雄となった両右腕が緊迫した投手戦を繰り広げる中、わずかなスキを見逃さなかった猛虎の主砲が勝利を呼び込んだ。【鈴木忠平】