<楽天3-0広島>◇5月31日◇コボスタ宮城
楽天アンドリュー・ジョーンズ外野手(37)から、トレードマークのほほ笑みが消えた。0-0の9回。1死二塁で前打者の岡島が歩かされた。広島の捕手石原が立ち上がる姿を、ベンチ前で真っすぐに見詰めた。「岡島は広角に打てる打者。データ上、自分の方がゴロが多い。相手の作戦だ」と併殺狙いは明らかだった。
心は熱く、だが、頭は冷静だった。永川勝には初球真っすぐの後、カットボールを連投された。「初対戦。徐々に準備できた」と球筋をインプット。フルカウントからの6球目、外角高めのカットボールを引っ張り込んだ。左翼席へ今季2本目のサヨナラ本塁打となる14号3ランだ。観客は総立ち。ジョーンズは、ゆっくり1周。ヘルメットを放り投げ、仲間が取り囲むホームを踏んだ。笑みを取り戻した試合後「敬遠は、メジャーでもあった。右投手なら、両打ちのチッパー・ジョーンズが歩かされて、自分と勝負。しょっちゅうだったよ」とブレーブス時代を振り返った。メジャー通算434発のプライドがにじみ出た。
星野監督に作戦面で考えを伝えることもある。陽気に、監督のお尻をたたくことさえある。「そんなことするの、あいつとゴメス(元中日)だけや」。そう監督に苦笑いされるぐらい、気の置けない関係を築いた。だから、指揮官の不在に「チームの中心は監督しかいない。寂しいよ。1日も早く戻ってきて欲しい」としんみり言った。だが、すぐに続けた。「監督がいても、いなくても、やることは一緒。良い野球をして、安定した成績にしたい」。固く誓った。【古川真弥】



