阪神マット・マートン外野手(32)が2日、和田豊監督(51)と「緊急面談」に臨んだ。1日の日本ハム戦で打つ気がないそぶりを見せたこともあり、6回守備から交代を命じられていた。コボスタ宮城での練習中に仙台市内の宿舎で話し合い、マートンが謝罪。約1時間遅れで練習に合流した。気持ちを整えて今日3日から仕切り直し。難敵則本が控える楽天戦に臨む。

 昼下がりの仙台に、いるべきはずの2人がいなかった。午後3時過ぎ、コボスタ宮城での全体練習でナインがウオーミングアップを始める。首脳陣は腕組みして見守る。普段の光景のように映るが、実は違う。その頃、和田監督は仙台市内の宿舎でマートンと向き合っていた。前日1日の日本ハム戦で6回裏の守備から早々に途中交代していた経緯について話し合った。

 遠征先で、指揮官とレギュラー野手が全体練習に遅れて話し合うのは異例のケースだ。練習開始から1時間以上遅れた午後4時13分に和田監督がグラウンドに現れると、ほどなくマートンも登場。カメラのシャッター音を気にして、まだナーバスな心境もうかがわせたが、ランニングや打撃練習に取り組み、気持ちを切り替えようと努めた。和田監督によればマートンは面談で謝罪してきたという。

 「『昨日はチームに迷惑をかけた。すみませんでした』と。それだけ。ベストを尽くすぞ、と。尽くせ、じゃないよ。ベストを尽くすのは当たり前やから。以上、その件に関しては!」

 プロとして見過ごせないしぐさがあったから交代を命じられた。1日の日本ハム戦では5回の第3打席で2、3球目に構えを早々とやめ、打つ気がないジェスチャーを見せていた。ストライクの判定への不満を引きずったのか、無気力ととられてもおかしくない打席での態度を、和田監督も「本人は反省してる」と振り返る。勝利を求める集団では許されない行為だった。

 この日、指揮官は「チームでは終わったこと」と言い、幕引きを図った。マートン自身も「いい汗をかけて良かったよ」と気分を一新。面談については通訳が「それは監督に聞いてください」と話し、質問を受け付けなかった。今日3日に対戦する楽天のエース則本は2試合連続完封中。初対決になるマートンは「早く球を見極めて、好球を打つだけ」と力を込める。

 感情の起伏をいかにフラットにできるかが、来日5年目となる優良助っ人の大きな課題だ。心のモヤモヤを取っ払い、結果で示すしかない。【酒井俊作】