巨人原辰徳監督(55)が2日、亡き父の教えをあらためて胸に刻んだ。今日3日からのソフトバンク戦に向け、ヤフオクドームで調整。ノーヒットノーランの危機だった5月31日のオリックス戦を振り返り「弱いチームの監督は負けた時の言い訳を考える。それは勝負師じゃない」と亡くなった父貢氏(享年79)の監督論を引き合いに出した。この日は不振の村田を指導し、交流戦Vへタクトを振る。

 戦いで、指揮官は逃げることも、言い訳を吐くことも許されない。それが父から子へと受け継がれた監督論だった。金子に9回無安打無得点に抑えられ、ノーヒットノーランを喫しそうになった5月31日のオリックス戦。試合中、不名誉な記録の可能性が頭によぎったかと報道陣に聞かれ、大きく目を見開いて答えた。

 原監督

 よくオヤジが言っていたけど、弱いチームの監督は負けた時の言い訳を考える。この言い訳で勘弁してほしい、というのは敗者の弁。勝負師じゃない。仕事も同じだろう?

 逆にノーヒットでも勝ってやろうと思った。

 5月29日に父貢氏が約1カ月の闘病の末に亡くなった。同31日に訃報を発表したが、近日中に行われる密葬が終わるまで、父への思いを口にすることを封印している。だが指導者として、父の教えは常に土台にあることを明かした。

 監督としての自負を示すと「修一(村田)を教えてくる」とバットを手にベンチ裏へ向かった。約50分、素振り、ティー打撃を指導し、自ら打撃投手も務めた。「俺も選手だったから分かる。修一は何かきっかけが必要。守備力でチームに貢献してくれているのは事実。でも打率2割4分台じゃ、話にならない。本来の打撃が戻れば、攻守に戦力になる」と期待を寄せた。

 選手たちにも思いは伝わっている。貢氏が亡くなった翌日30日に全体練習の中で約1時間の直接指導を受けた長野は言った。「別の方から聞いたのですが、本当は練習に来なかったかもしれないのに『長野を見なきゃ』と来ていただいたと。そういう状況でも教えてもらって、ありがたいです。結果で返さなきゃいけないと思う」。言い訳という言葉は原監督率いる巨人軍の辞書にはない。【広重竜太郎】