<オリックス5-0ヤクルト>◇3日◇京セラドーム大阪

 オリックス糸井嘉男外野手(32)が、またも超人伝説を書き加えた。1回2死二塁、ヤクルト先発古野の初球ストレートを、右翼席上段へたたき込む7号先制2ラン。通算79本目の本塁打で、先発4番(6度目)としては初めての1発。チームの連敗を2で止めた。「チャンスだったので、打てる球なら初球から行こうと思っていた。勝ててよかった」。

 規格外の男は、どこまでも突き抜けていた。1日の巨人戦で自打球を顔面に当て流血。途中交代し、病院で下唇内側を3針縫った。試合出場も危ぶまれる状況だったが、この日の練習では何事もなかったかのようにグラウンドに飛び出し、通常メニューをこなした。

 報道陣から「(患部は)大丈夫か」と問われると、口をもごもごと動かし、口を縫い止められてしゃべれないジェスチャーで爆笑を誘い、食堂に向かう際は「(口の中を縫って)飯が食べられない!」と叫んだ。試合後は「(ケガの心配などは)まったくなかった。血が止まれば大丈夫。食事?

 スプーンで(口の)奥まで入れてるよ」と笑い飛ばした。

 治療を受けた次の試合で戦列に復帰し、最初の打席の初スイングで豪快な1発。本塁打以外でも、安打と2四球(1敬遠)で全出塁。森脇監督も「(連敗した巨人戦の)流れがあったので、大きな先取点だった。途中交代すら悔しかっただろうし、その思いを表してくれて、とても頼もしい」とたたえた。チームが苦しいときには、超人・糸井がオリックスにはいる。【高垣誠】