<楽天4-3阪神>◇3日◇コボスタ宮城

 劇的サヨナラだ!

 楽天が3点を追う9回に、4点を奪って逆転サヨナラ勝ちを収めた。先発則本昂大投手(23)は7回1失点と先制を許して交代したが、9回先頭の西田哲朗内野手(22)の安打に、代打後藤光尊内野手(35)の適時三塁打を号砲に、牧田明久外野手(32)の決勝打で、一気に試合をひっくり返した。つないで、つないで、劇的勝利。コボスタ宮城のファンも大満足の夜だった。

 サヨナラのヒーロー牧田を中心に、歓喜の輪が出来上がった。「バンバンたたかせていただきました。牧田さん、うれしそうでした」。西田は、牧田と同じくらいの笑顔で、そう言った。

 0-3と劣勢の9回。先頭が西田だった。阪神先発メッセンジャーの前に、8回まで1安打。「1安打完封なんて、絶対嫌だ。(メッセンジャーは)2打席目から『行ける』と思ってました」と打席に向かった。2-2からのフォークを中前に落とした。「最近一番悪いヒットでしたね」と照れ笑いを浮かべるが、最高の反撃の合図だった。

 続いたのは代打後藤だ。「つなぐことだけを考えていました」と話すベテランは、フォークを振り抜き、左中間を破る適時三塁打とした。メッセンジャーをKOする一打に「あれで流れを一気に変えられて、良かった」。さらに代打ボウカーが、代わった守護神・呉昇桓から犠飛。1点差に詰め寄った。

 そして2死走者なしから、岡島らしい、しぶとい二塁への内野安打。ジョーンズは四球で、牧田が決めた。試合の流れは完璧に支配していた。

 土壇場の驚異的なつなぎを呼んだのは、エース則本の必死な投球だった。3試合連続完封を狙える状況だったが「ここ2試合、野手のファインプレーが何個もあった。完封は野手の皆さんの助けがないとできない。完封でも、1点取られても、勝てばいい」と、全員野球での勝利だけを見つめていた。7回は敬遠策で1死満塁とし、メッセンジャーに押し出し四球で1失点。痛恨の1失点だが、2点目を与えなかったから、9回の劇的勝利があった。

 前日2日、則本は「監督は必ず戻るとおっしゃっている。その時、少しでも上の順位についていて、終盤に素晴らしい舞台をつくり、監督を喜ばせたい」と言った。全員の思いが信じられない力になった。【金子航】