<ロッテ9-6中日>◇4日◇QVCマリン

 手痛い逆転負けで中日の5割復帰はお預けになった。同点の8回、祖父江やパヤノが打たれて勝敗は決した。だが誰よりも責任を感じていたのは大野雄大投手(25)だった。「すみません…。何も話すことはないです」。先発で5回6安打5失点。その点の取られ方が最悪のパターンだった。試合後、今季2度目の降格が告げられた。

 2回に平田の2ランで先制した。だがその裏、ルナの失策もからみ、投手古谷に適時打を浴びるなど同点にされた。それでも味方が奮闘。4回に武山の移籍1号2ランと大島の適時打で3点勝ち越した。だが、その裏すぐ1点を失うと、5回は谷の失策もからむ2失点で同点。KO降板となった。

 悪い時の大野に戻ってしまった。自滅的に1回5失点KOされた4月26日のヤクルト戦で試合中に名古屋へ強制送還。2軍調整を経て3戦3勝と復活気配だったが、評価は急降下した。

 友利投手コーチは「何でファームに落ちたか忘れている。野手が点を取ってくれても四球で傷口を広げたり、真ん中ばかり投げたり…。あれでは打者の反撃意欲もなくなるよ」とばっさり。谷繁兼任監督も「味方のエラーがあっても、そこで助け合っていかないといけない。取られ方が悪いし、これでは勝てる投手にはなれない」と厳しかった。

 巨人が敗れ、球団初の交流戦首位ターンは確定した。だがセ・リーグでは依然4位で4月25日の5割を最後に借金生活が続く。大野の完全復活なくして竜の浮上はない。【松井清員】