山笠も攻める。ソフトバンク松田宣浩内野手(31)と長谷川勇也外野手(29)が7月1日から福岡市内で行われる伝統の「博多祇園山笠」の飾り山笠に初選出されたことが18日までに分かった。ヤフオクドーム前の広場に設けられる「十番山笠」の人形モデルに抜てき。例年はチームから投打の顔が1人ずつ起用されているが、左右の好打者を並べる“攻撃的布陣”となった。

 櫛田神社を向き、武者物を描く飾り山の「表」と呼ばれる部分で、標題は「常勝玄海鷹」。秋山監督と球団マスコットのハリーホーク、CMでおなじみのお父さん犬がよろいをまとい、長谷川と松田が、ユニホーム姿でバットを構える。昨年首位打者の実績を評価された長谷川は「うれしいですね。福岡で一番の祭りなので。実際見てみないと分からないですが、早く見てみたいですね」と楽しみにした。松田も選手会長というチームの顔が認められた。

 山笠関係者は「攻めて攻めて、V奪回してほしい思いを込めた」と話し、今年も人形作家の置鮎琢磨さん(85)が制作を担当する。そのチームは今日19日からヤクルト2連戦(神宮)。チーム打率のセパ1位同士のぶつかり合い。前日練習を終えた松田は「祭りシーズンに合わせてチームも勢いに乗っていきたい」と、地元球団として博多の伝統文化との共闘を誓っていた。【押谷謙爾】

 ◆飾り山笠

 担がれて市内を回る舁(か)き山と違い、7月1日から15日まで14カ所で公開される山笠。「表」に対して裏側を「見送り」と呼ぶ。童話やテレビアニメなどが題材になることも多い。高さは10メートル前後。ヤフオクドームでは00年から建てられ、中心部から最も離れた位置にある。