<中日1-3広島>◇12日◇ナゴヤドーム
広島前田健太投手(26)が鬼の形相になった。1点を失い、なお1死二塁の8回。前の打席で二塁打を許していた2番谷を147キロで空振り三振に切るとグラブをたたき、ほえた。右腕でつかんだハーラートップに並ぶ9勝目はチームの連敗を4で止め、02年以来、12年ぶりの前半戦勝ち越しターンを決める価値ある1勝だ。「連敗を止めようと必死で投げた。味方も援護してくれたし、粘り強くいけた。後半戦も大事な試合で負けないように投げたい」。
ヒヤリとさせたのは1点リードの6回だ。先頭大島への初球を投げた際に転倒した。左足を踏み損ねたのだが、ベンチから山内投手コーチらが飛び出す騒ぎに。しかし、その大島をジャンピングキャッチでの投ゴロで処理するなど影響は出なかった。「踏み損ねました。大丈夫です」と言うように、アクシデントを非常事態にしないのが持ち味だ。以前にこう話していた。「これまでの人生で大きなケガ、故障をしたことがないんです。長期間投げられなくなったとか、そういうこともない。自分の強みだと思っています」。すっかり有名になった「マエケン体操」だけでなく、普段から入念にストレッチを行い、体をケア。トレーニングも含めて、すべてを投球へつなげている。
「エースの働きをしてくれた。先発投手が順調にいく試合が少なかったから」。野村監督も目を細めた好投。広島が踏みとどまった。【高原寿夫】



