<中日1-3広島>◇12日◇ナゴヤドーム

 広島が貴重な勝ち星だ。若き3番打者・丸佳浩外野手(25)が、先制打とエース前田の危機を救う守備の頭脳プレーで大貢献。中日との接戦をものにした。連敗を4で止めた広島は1日で2位に再浮上し、12年ぶりに前半戦勝ち越しターンも決定。23年ぶり優勝の悲願へ、懸命に踏ん張っている。

 試合の流れを完全にものにしたプレーだった。3点リードで迎えた8回裏。先発前田が死球、安打で無死一、二塁とし、1番大島に中前適時打を浴びた。これで二塁走者の中田が生還。ムードが中日に傾きかけたその瞬間だ。

 一塁走者の代走武山が二塁をオーバーラン。打球を処理した中堅丸は冷静に二塁菊池へ送り、タッチアウトにした。ふくらみ始めた危機の芽を摘んだ。

 「バックホームは間に合わないと分かっていたけれど、本塁へ擬投して(飛び出しを)誘おうと思っていたんです。でも武山さんが目を切っていたので…。あれはでかかったです」

 3回の先制打を「あっ!

 ホンマだ!」と忘れるほど会心の守備に酔った様子の丸。緒方野手総合コーチは「冷静に刺したね。あれは丸のファインプレーです」とたたえた。

 8回表にはその丸が1死から四球を選んで、中日2番手福谷を攻めた。1死一、二塁から5番キラが中越えの豪快な適時打。続いてルーキー田中の右翼への犠飛も出て、大きな2点を追加した。

 「ストレートに的を絞って思い切り振り抜こうと思っていた」(キラ)

 「フライを狙っていました。あそこまで、よく飛んでくれました」(田中)

 それぞれが自分の仕事をきっちりと果たし、リーグ戦ではワーストとなっていた連敗を4で止めた。

 12年ぶりという勝ち越しターンに、野村監督は「そうなんですか。もう少し安定してほしいね。辛抱だけどね」と話した。

 エース前田を中心に全員で勝ち取った勝利。23年ぶり優勝の悲願へ夢をつなぐため、もう1度、大きな波に乗るキッカケにしたい。【編集委員・高原寿夫】