今年は帰りません!

 15日に右肘痛で出場選手登録を抹消された中日エクトル・ルナ内野手(34)が18日、ナゴヤ球場でリハビリを開始し、心境を激白した。膝の痛みを我慢してシーズン途中に帰国した昨季の教訓を生かし、万全の状態で再昇格したい考え。後半戦の残り60試合で「あと200打席立ちたい」と具体的な目標を挙げた。

 ナゴヤ球場に現れたルナは慎重に言葉を選んだ。13日広島戦(ナゴヤドーム)5回のスイングで右肘を痛め、2日後に出場選手登録を抹消。当初は球宴明け復帰に意欲を見せていたが、リハビリを始めたこの日は少しニュアンスが違った。

 「再発だけは避けないといけない。痛みを伴った状況で戻るということだけは避けたい」

 頭に浮かべたのは膝を痛めた1年前の悪夢だ。7月中旬に登録を抹消され、8月上旬にいったん復帰したが再度抹消された。結局、治療に専念するため、シーズン途中に母国ドミニカ共和国へ帰国。故障箇所が違うとはいえ、昨季と状況は重なる。

 「去年の過ちだけは繰り返したくない。去年は違和感が残ったまま上がってしまったからね。それだけは避けたい」

 トレーニングルームでバイクをこぎ、ゴロ捕球など軽めに動いて治療に専念した。ボールを握るのは20日以降になる予定で、打撃練習の開始時期は未定。最短10日間の復帰は難しい状況にある。

 もどかしさはありながら、一番大事なことは戦える体で1軍復帰すること。「1軍に戻ったらシーズン最後までプレーしないといけない。あと200打席は立ちたい」と目を輝かせた。1試合4打席とすれば、残り60試合中、50試合は出場する計算だ。リーグ2位の打率3割3分7厘を誇る攻撃の核。昨季の二の舞いだけは御免だ。【桝井聡】