<中日2-6広島>◇7日◇ナゴヤドーム

 広島は高卒3年目の先発戸田隆矢投手(21)が自身最長の6回1/3を2失点と好投し、プロ2勝目を挙げた。ここまで4度の先発で打ち込まれていた「魔の中盤」を無失点で乗り越え、プロ初勝利だった7月16日DeNA戦以来の白星をゲット。チームは連敗を2で止め、首位巨人に2・5ゲーム差、2位阪神に1ゲーム差とした。

 再びの悪夢が頭をよぎった。4点リードの4回、先頭から連打を浴びて無死一、三塁。戸田はあえて「魔の中盤」を頭の中で確認した。「逆に意識して気合を入れました」。6番松井佑、7番藤井を2者連続空振り三振に仕留め、8番谷繁は遊直で無失点。ひと皮むけた瞬間だった。

 「前回、4回に悔しい思いをした。リベンジする気持ちでいました」

 1週間前の7月31日中日戦は4点リードの4回に4失点し、5回途中で降板した。ここまで今季4度の先発マウンドでは4回に計6失点、5回に計4失点と中盤に苦しんでいた。今回は「4回」というイニングにガチンコ勝負を挑んで勝利。「ピンチで強気に攻めて、全体的に腕を振れた」。6回1/3を8安打6奪三振2失点で2勝目をあげた。

 7月16日DeNA戦でプロ初勝利をあげた夜、女手一つで育ててくれた母圭子さんに直接ウイニングボールを渡した。樟南時代、2年夏まで監督として指導をうけた枦山(はぜやま)元監督にも電話した。「成長したな」。受話器越しの言葉がうれしかった。

 「監督には野球のことより、私生活でタメになることを教えてもらった。本気で怒ってくれましたね」

 人一倍キツく叱られた。「みんなと一緒に水を飲んでも、僕だけ監督に呼ばれて怒られたり。当時はなんでと思いましたけど、今なら分かります」。下級生のころから主戦を務めていたから、あえて厳しく接してくれたのだと-。

 4日前には前田、大瀬良と東京ドーム内にある野球殿堂博物館を見学。樟南時代に地元紙で取り上げられた時の原稿を読み、当時の思いをよみがえらせた。高校野球の季節を迎え、恩師に対する感謝の気持ちをボールに込めている。

 無失点で迎えた7回に2失点。「本当に7回は投げ切りたかったので悔しい」と力を込めた。プロ最長イニングを投げても浮かれない。「もっともっと長いイニングを投げられるようにしたい」。先発ローテーションの1人として、言葉に自覚をにじませた。【佐井陽介】