<阪神5-4広島>◇9日◇京セラドーム大阪
8・9でも勝てず…。広島ドラフト1位の大瀬良大地投手(23)が阪神戦に先発し、4回5安打4失点で6敗目(6勝)を喫した。長崎出身の右腕にとって、45年長崎に原爆が投下された8月9日は特別な日だったが、勝利を挙げることはできなかった。これで自身3連敗となり、ここ6試合白星から遠ざかる。チームは2連敗で2位阪神に3ゲーム差をつけられ、4位中日に1ゲーム差まで迫られた。
大瀬良は悔しさを必死で押し殺した。内心は自分自身への怒りでハラワタ煮えくりかえっていたはずだ。避けなければいけない形で走者を背負い、失点した。試合後の駐車場。猛省の言葉が続くのは当然だった。
「死球と四球。そういう形で走者を出してしまうと、野球の流れで点数に結びついてしまう。(走者の)出し方が良くなかった」
2回は先頭への死球から7番伊藤隼に先制の左犠飛を許した。4回は先頭への四球から5番新井に右犠飛を許し、2死一、三塁としながら8番清水、9番能見に連続適時打を浴びた。「(4回は)次が投手の8番打者だったし、もっと厳しくいくべきだった。アウトを取りたい、取りたいとなってしまった。野球の頭がまだまだ足りない。力がないということです」。自らをバッサリ切り捨てた。
長崎出身の右腕は、特別な思いを胸に抱いていた。8月9日。1945年、長崎に原爆が投下された日だ。小学校低学年のころは夏休みでも学校に集まり、当時の写真を目に焼きつけ、話を聞いた。原爆資料館には何度も足を運んだ。「毎年この時期になると、若い僕とかも平和について考える。僕の投球でいろんな人に元気を与えられたら」。気合は力みにつながったのかもしれない。
制球、キレともに上々だった前回2日巨人戦から一転、シュート回転や浮き球が目立った。3回無死一、二塁では送りバントにも失敗した。4回4失点で6敗目。これで自身3連敗となり、ここ6試合勝ち星がない。
野村監督は「1年間ローテを守ってくれれば、1年の戦い方が分かる。故障がない限り、(ローテから)外すことは考えていない」ときっぱり。苦境は自力で脱するしかない。「僕の勝ちというより、チームに迷惑をかけている。次はなんとかいいピッチングをできるようにしたい」。試練を乗り越えた分だけ強くなる。【佐井陽介】



