<中日0-2DeNA>◇14日◇ナゴヤドーム

 中日が番長三浦に要所を締められ、5位DeNAに再び1差に迫られた。再三得点圏に走者を進めたが、あと1本が出ず8残塁。14年10度目の完封負けを喫した。今季から投手コーチを兼任する三浦との初の“兼任対決”に敗れた谷繁元信兼任監督(43)は「チャンス?

 ありましたね。ゼロに抑えられたということじゃないですか」と厳しい表情だ。

 打たせて取る40歳のテクニックにやられたが、球運にも見放された。6回1死満塁、右翼線に飛んだ平田のライナーは逆転打かと思われた。だがほんの数センチ差で判定はファウル。悔しがった平田の打ち直しは二直に終わった。続いて今季満塁で4打数4安打で10割だったエルナンデスに回ったが、力ない二ゴロでジ・エンド。好投カブレラを見殺しにする形となった。

 今季三浦とは初対戦だったが12年5月から6連敗。通算成績は29勝30敗ながら、ここ2年間勝てていない番長も新たな天敵になりつつある。そして手痛いカード負け越しで、振り向けば眼下の敵が1差に再接近。チームは4月8日から4カ月4位以上を守っているが、いよいよDeNAの足音が恐怖だ。Aクラスの壁は厚いが5位への壁は薄い。

 「カブレラは久々の1軍で、持ってるものは出してくれたんじゃないですか」。2カ月ぶり先発の助っ人右腕が好投しただけに、指揮官も痛恨の0敗だ。試合後、ここへきて精彩を欠く松井雅と堂上直の2軍落ちを決定。特にポスト谷繁と期待される松井雅は、今季初の降格で荒療治といえる。今日15日からは6勝9敗と負け越している最下位ヤクルトとの3連戦。カンフル剤を生かし、再浮上のきっかけをつかみたい。【松井清員】