「8月末だョ!全員集合~」。巨人の5人の“演者”が、リーグ3連覇へ向け、1軍の舞台に戻ってくる。いかりや長介ばりの「おいっす!」とばかりに、2軍戦での実戦復帰が見えてきたのは、右手中指の腱(けん)の炎症でリハビリ中の菅野智之投手(24)。今週からブルペン投球を再開する予定で、シート打撃登板を経て、30日の西武戦(ジャイアンツ)が有力とみられる。

 「次いってみよー!」の掛け声とともに、2軍調整中だった片岡治大内野手(31)、矢野謙次外野手(33)が今日19日のヤクルト戦(神宮)から昇格する。片岡は体のキレと勝負強さを取り戻すため、矢野はここぞの一打にかける打撃を取り戻すために2軍で鍛錬。加藤茶ばりに、原監督から「技、磨けよ」と言われたかどうかは不明だが、自らの芸に磨きをかけ、戻ってくる。

 「もう1回、いってみよー!」。雪辱に燃えるのは、21日の同戦で先発する沢村拓一投手(26)だ。この日から1軍練習に合流。川口投手総合コーチからは「ダメだったら、2軍」と刺激を与えられたが、7月29日のDeNA戦以来の1軍マウンドに、沢村は「結果だけ。それしか考えていないです」と闘志。「だめだ、こりゃ」なんて、期待を裏切るはずはないだろう。

 さらに、左太もも肉離れの亀井善行外野手(32)も順調にリハビリを進める。8月中の復帰は今後の回復次第だが、9月上旬には1軍復帰の見込み。今週からランニングの強度を上げる。いかりや長介、志村けん、加藤茶、高木ブー、仲本工事の5人で番組を盛り上げた「ザ・ドリフターズ」のように、巨人も5人の猛者が「全員集合」。視聴率ならぬ“勝率”を独占する。【久保賢吾】

 ◆「8時だョ!全員集合」

 1969年(昭44)10月4日から85年9月28日までTBS系で毎週土曜午後8時から8時54分まで放送された、いかりや長介がリーダーの「ザ・ドリフターズ」主演の国民的人気バラエティー番組。数々のコントやギャグを作り出し、最盛期には40~50%もの視聴率を誇った。74年にザ・ドリフターズを脱退するまで荒井注も一員として出演。