<阪神8-1中日>◇19日◇京セラドーム大阪

 1カ月ぶりに阪神大和外野手(26)が1軍へ戻ってきた。7回に出番が来た。「代走、大和」。コールが響き渡ると、京セラドーム大阪は温かい拍手で包まれた。エールを背に、二塁打の福留に代わった大和がスタートを切った。梅野への3球目で三塁へ。中日の捕手赤田の送球がそれ、8点目のホームを踏んだ。

 8回表。駆け足でセンターへ向かうと今度は右翼スタンドから「大和!

 大和!」と大声援が起こった。

 「ビックリしました。温かい声援だなと思いました。ファームでも試合に出ていたので、すんなりと入っていけました」

 左脇腹の肉離れで7月26日に出場選手登録を抹消。暑さが増す鳴尾浜でリハビリに取り組んだ。この日の昼間、ウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦に2番中堅で出場。第1打席は初球を左翼線に運び二塁打。3回無死一塁で送りバントを決めた。「全部やれることはやりました」とすでに準備を整えていた。

 8回の守備中に午後3時となり、セ・リーグが登録を公示した。その裏の4打席目で中飛に倒れ、ベンチに下がった時に交代を告げられ「何でだろうと思った」。そこで1軍昇格を知ったのが3時20分ごろ。フル出場の予定だったため、ドタバタと荷物をまとめた。ベンチから引き揚げる大和の横にはリハビリに付き添った仲野トレーナー。「トレーナーに感謝します」と言葉を残して京セラドーム大阪に向かったのは午後4時15分のことだった。

 和田監督は「足が使えるし、攻撃の幅が広がる。久しぶりでハツラツとしていた」とうなずいた。ピースが1つ埋まったと確信できたのは、午後9時前。走って守って、今日にもスタメン復帰する可能性もある。大和が力強く再発進した。【宮崎えり子】