<阪神5-4中日>◇21日◇京セラドーム大阪

 連夜の悪夢、自滅負けというしかない。竜がまたもミスから失点を重ねて崩れ落ちた。あまりにもふがいない今季4度目の同一カード3連敗。中日谷繁元信兼任監督(43)は「ギリギリでやっているのは分かるし、(失策を)やろうと思ってやってないのは分かる。でも昨日と一緒で、それ(確実なプレー)をやっていかないとなかなか勝つことはできない」と懸命に言葉を絞り出した。

 決勝点献上は同点の3回だった。無死一塁で三遊間に飛んだ鳥谷の打球をアンダーソン・エルナンデス内野手(31)が二塁へ悪送球。ここからカブレラが崩れ、ゴメスとマートンに連続適時打を浴びた。エルナンデスは6回1死満塁でも本塁へ悪送球。谷繁監督は「(捕手が)捕った後に(足が)本塁を離れた」と抗議したが判定は覆らず、最後は1点差まで迫っただけに、痛恨過ぎる失点となった。

 「一生懸命プレーした結果。アウトにしようとした結果です」。本人も肩を落とした。左太ももを痛から再起し、4試合ぶりの先発。まだ万全でないところに勝負を分ける打球が飛んだ不運もある。だが、プロなら「どれかアウトを取らないと」と監督も嘆く覇気なきプレーに映った。前日は同点の7回2死満塁で、大島と藤井が交錯落球で決勝の2失点。「守り勝つ野球」を掲げる指揮官の理想にはほど遠く、上位を狙うチームとは思えない惨敗だ。

 貯金2で突入した勝負の8月で6勝12敗と大失速。借金4は7月8日以来1カ月半ぶりだ。逆転Vは風前のともしびで3位すらピンチの4・5差。5位DeNAに1差に迫られ、今日22日から首位巨人3連戦を迎える。「最後の気迫…。打つ方にしても守る方にしても最後のここというところで足りていない」。監督は必死に言葉を探し鼓舞した。このままズルズルいってしまうのか。竜に男の意地は残っているのか。【松井清員】