<ロッテ4-3ソフトバンク>◇22日◇QVCマリン

 ロッテ今江敏晃内野手(30)は両腕を突き上げた。延長11回2死一、二塁。積極的に振っていった打球は三遊間を抜けた。一塁をまわったところで、伊志嶺がホームに滑り込むのを見届けた。駆け寄るチームメートにもみくちゃにされながら、この1カ月で4度目となるサヨナラ勝ちの歓喜をかみしめた。

 前夜は満塁のチャンスに2度凡退し、悔しい思いを味わった。「今年は、調子が落ち込みがちの時ほど、チャンスでまわってくる気がする」。悩める思いは深く、体に力が入らない感覚に陥ることもあった。振り払ってくれるのは結果だけ。「なかなか思うようにいかないことが多い。その中でチームに貢献できた分、ちょっとは気持ちが楽になったかな」。この日ばかりは、ホッとした表情を見せた。

 昨季に続き4番として期待されていた。それを裏切ってしまった負い目がある。デスパイネが離脱し、打線の軸が必要な状況で、今江は立ち直った。「どんな状況であれ、僕らはグラウンドで結果を出すしかない。結果が出なければ、何を言われても仕方がない」。結果を求め、自分を追い込む男の執念が実を結び、チームの自力CS進出の可能性も一夜にして復活した。【竹内智信】