<巨人4-3中日>◇22日◇東京ドーム

 最後は6番手伊藤がロペスに犠飛を浴び、竜は沈んだ。首位巨人との4時間42分の大激闘の末路は、疲弊感しか残らないサヨナラ負け。今季5度目の4連敗で5月21日以来3カ月ぶりに借金は5に膨らんだ。3位広島との差は5・5まで広がり、どんどん遠のくAクラスの夢…。そしてさらなる追い打ちは宿敵巨人に谷繁体制初、チームとしても4年連続の負け越し決定だ。「今日はなし。今日はなし」。よほどこたえた負けだったのか、谷繁元信兼任監督(43)は就任後初の会見拒否だ。

 打倒巨人はチーム長年のテーマであり、監督就任後も最大の目標としてきた。2月北谷キャンプ中に行われた大魔神・佐々木主浩氏(日刊スポーツ評論家)との対談。「同じチームに3連覇もされたら恥ずかしい」と本音を明かした。そして熱く続けた。「(巨人をたたきに)いきます。そりゃそうです。何のためにキャンプでいっぱい練習するのか。シーズンで優勝して、CSも勝って、日本一になるためです」と。

 だが現実は厳しかった。圧倒的戦力の前に、前回まで今季6度の対戦でカード勝ち越しは1度だけ。6勝13敗と、力の差を痛感せざるを得ない状況だ。巨人とは8・5差あるが、直接対決の大敗がゲーム差に直結。毎回巨人の壁に跳ね返され続ける結果、Bクラス低迷の乗れないチームになってしまっている。

 「投手が抑えないことには勝てない」。監督就任以来、何度も口にしてきた言葉だ。この日、中継ぎ陣は懸命に0のバトンをつないだが、肝心の先発大野が5回3失点とまた踏ん張れなかった。一方攻撃も2点差を追い付いた5回、なお1死一、三塁の好機で打者松井佑がスクイズのサインと勘違いの投前バント。またもここ一番で痛恨のミスが響いて得点を奪えず、その後の竜に女神はほほ笑まなかった。このまま終わってしまうのか。プライドは残っていないのか。【松井清員】