<広島2-1阪神>◇23日◇マツダスタジアム
マット・マートン外野手(32)は消え、マウロ・ゴメス内野手(29)は大ブレーキ。最悪ムードたっぷりの連敗で、阪神和田豊監督(51)は試合後の会見を拒否した。1回2死一、二塁で見逃し三振に倒れたマートンが判定を不服として飯塚富司球審に暴言をはき、退場処分。奮闘したい4番ゴメスは2三振に最後の反撃機で併殺打。救いのない敗戦で、首位巨人から2・5ゲーム差と後退した。
和田監督は肩を震わせながら歩いていた。最後の反撃もゴメスの併殺で幕を閉じた。拙攻の連続。ついにイライラは頂点へ達し、会見場をスルーした。顔を紅潮させ、足早にバスへ向かって行った。就任3年目で初めての会見拒否。「もどかしかった」の問いかけに、「明日いくわ」とだけ発した。
主軸の愚行で、チームの士気も攻撃力も下がった。押せ押せムードの1回、2死一、二塁とした。5番マートンは初球、内角変化球のストライク判定に不満げだった。2球目の途中には構えを崩し、打つそぶりを消した。流れ始める不穏な空気。3球目の前には大瀬良の長い間合いで、いら立つようにタイムを求めた。そして3球目。外角高めのストライクのコールで、ついに制御不能になった。
1回も振らなかったバットを後方へ放り投げた。一瞬の間を置くと、バットを拾いながら飯塚球審へ詰め寄った。罵声を浴びせる姿に、慌てて和田監督らが駆け付けた。関川打撃コーチは羽交い締めにしたが、時すでに遅かった。暴言で通算3度目の退場。怒りの収まらない騒動主は、ベンチに戻ってからも大声で抗議し続けていた。
マートン
野球をやっている上で、打者はストライクをしっかり見ていかないといけない。結果的に、ああいう場面でそういう状況にならなかった。
試合後は冷静に、ボールだったという解釈を続けた。予兆はあった。前日22日も判定への不服で、球審に険しい表情で歩み寄っていた。6月1日の日本ハム戦では、危険を察知して爆発前に途中交代させたこともある。優良助っ人が抱える最大の弱点。感情をコントロールできずに、ゲーム開始からわずか17分で打率リーグトップの5番打者がいなくなった。
重苦しいムードを引きずった。9安打で残塁が12、8回まで19イニング連続で無得点だった。7回2死満塁の先制機は、マートンがいたはずの「5番」に回ってきた。大和への代打関本が凡退。4連勝から一転して痛い連敗だ。
首位巨人とは2・5ゲーム差となった。首位取りどころか、最短26日にも自力優勝の可能性が消滅する危機。3位広島にも0・5ゲーム差に迫られた。指揮官の宣言通りに「いく」ことがなければ、天王山にすらたどり着けない。【近間康隆】



