<日本ハム8-5西武>◇23日◇札幌ドーム

 決勝弾でハッピーで~す!

 日本ハム陽岱鋼外野手(27)が一振りで試合を決めた。1点を追う1回無死一、三塁の場面で初球を右中間へ運ぶ決勝の逆転17号3ランを放った。7回には先頭で中前打を放ってチャンスメーク。大谷のダメ押し打も誘発するなど4打数2安打3打点と活躍した。これで10試合連続安打と絶好調。チームに再び貯金1をもたらした3番打者にサンキューで~す!

 至福の瞬間は、すぐにやってきた。1点を先行された初回無死一、三塁。陽がファンを、チームをハッピーな気持ちにさせた。外角低めへの初球137キロを逆らわず右方向へ運んだ。「完璧でした」と自画自賛の打球は右中間スタンドに飛び込んだ。逆転17号3ラン。前夜の大敗から一夜明け、1回は先頭打者本塁打で失点。球場内に漂った不穏な空気を、たった一振りで吹き飛ばした。

 絶好調だ。12日ロッテ戦(札幌ドーム)から10試合連続安打となった。この間の打率は脅威の4割2分5厘。4本塁打と長打力も発揮して13打点。「つかんではないけど、感覚を取り戻した感じ」と充実の笑顔がはじける。お立ち台では連続安打の話題を振られ「それを言っちゃダメでしょ。打てなかったら責任を取って下さい」。インタビュアーとの絶妙なやりとりで試合後もファンを沸かせた。

 故郷にも自分の勇姿を待っている人が多くいる。1日、あらためて決意を強くする出来事があった。台湾南部の拠点都市、高雄市で大規模なガス爆発事故が発生。死亡者も出るほどの大惨事に「今は何もできないですけど、自分のプレーで勇気づけたい」。今季から現地で日本ハム戦が全戦テレビ中継される。活躍する姿を見せることが、傷ついた心を癒やすと信じてグラウンドに立っている。

 ひたむきな思いは、勝負強さにも表れている。得点圏打率は3割5分1厘でリーグトップだ。「気にすることでは、ないでしょ」と受け流すがチームにとっては心強い。本塁打も昨季記録した自己最多の18本まで、あと1本。「明日も勢いに乗っていきます。応援よろしくお願いします」。絶好調の背番号1がこれからもファンの声援に「サンキューで~す」と応えてみせる。【木下大輔】