<オリックス4-8楽天>◇24日◇京セラドーム大阪

 粘り腰で2勝目をゲットした。楽天菊池保則投手(24)がオリックス打線を6回5安打3失点。今季初先発で勝利した前回17日のロッテ戦に続き、2試合連続で勝った。3回までに3失点するなど序盤は苦しんだが、4回からは0に抑える粘りが実った。打っては、松井稼頭央内野手(38)が日米通算2500安打を達成。優勝争いをする相手に3連戦で勝ち越した。

 大粒の汗をぬぐい、菊池は喜びに浸った。「今日は本当に粘って投げることができました。無駄な四球を出さなかったのが良かったです。野手の方に助けられて、何とか抑えられました」と打線に感謝した。

 序盤は、星野監督の神経を逆なでする展開だった。1回、松井稼の日米2500安打を足がかりに1点先制をもらった。ところが、その裏、糸井に逆転2ランを許した。直球を3つ続けた後のスライダーを、狙い澄ましたように右中間席へ運ばれた。3回には、2死二、三塁でペーニャに暴投を出し、三塁走者をかえした。だが、三塁走者に続き生還を試みた二塁走者を自ら本塁カバーに入り刺した。「あのアウトが大きかったです」と、4回からは切り替えられた。

 星野監督がもっとも褒めたのは、四球が少なかったことだ。3回の暴投となったペーニャへの四球のみだった。「暴投は警戒し過ぎてのもの。ノー感じの四球がなくなった」と、辛口の指揮官が及第点を与えた。今季初勝利の前回も、6回を無四球で切り抜けた。もともと、球の力は一級品。制球が課題だった。

 克服のキーワードは、この日の中盤からの投球のように「切り替え」だ。14日のソフトバンク戦は、延長10回1死満塁に7番手で登板。あろうことか、サヨナラの押し出し四球を出した。「すごく後悔してます。初めての体験で、悔しかった」。もう後がなくなった。その次の登板が、初先発の前回だった。「自分の腕の振りができていない。だから四球になる」と気がついた。がむしゃらに腕を振り、先発で2連勝だ。

 この日は序盤からフォークを多めに使った。これまで変化球はスライダーがほとんどだったが、自分で捕手の小関に要望した。「幅を広げないと。スライダーだけじゃ抑えられない」と、先発の自覚が出ている。7年目で一皮むけるチャンスにいる。【古川真弥】