<広島2-8阪神>◇24日◇マツダスタジアム

 ゴメンナサイの1発だ。阪神マット・マートン外野手(32)がダメ押し弾を放った。2点リードの9回、1死一、三塁。横山の内角高め直球をコンパクトに振り抜き、左翼席最前列にライナーで運んだ。5日ヤクルト戦以来の12号は貴重な3ラン。エールを送る虎党には、いつもより深く頭を下げた。

 マートン

 リズムが悪くてボール球に手を出していたけど、最後の2打席は修正して結果を出せたね。

 リズムが悪かったのは自業自得だった。前日23日、第1打席で3球三振すると、判定を不服として暴言を吐いた。開始わずか17分で通算3度目の退場。出だしから5番打者を失った猛虎打線は士気も攻撃力も低下。リズムに乗れないまま、拙攻の連続で負けた。

 宿舎に戻ると反省した。球団幹部からは事実を再度確認しながら「審判のジャッジには従うように」と注意された。感情を制御できないことが、どれほどチームに迷惑をかけるか。主軸を任される責任感を、あらためて心に刻んだ。

 球場入りに「今日のプレーぶりを見てくれ」と繰り返した指揮官も、満足する姿だった。

 和田監督

 昨日の今日で相当気合が入っていたし球場に来るまでに切り替えていたから。集中した時は、これぐらいやる選手。できれば…続けて欲しいね。

 8回には、逆転劇を演出した。先頭鳥谷の左前打をきっかけに1死一塁から、右前へライナーではじき返す「らしい」1本。「鳥谷さんが出て、チームとしてリズムが出てつながった」。好機を広げてから連続四球で同点、そして関本の勝ち越し2点打へつなげた。

 試合前には「昨日は(打席が)1つだけ。今日は4つね」と照れくさそうに日本語で話していた。予定より1つ多く回ってきた打席で今季42度目のマルチ安打。打率3割4分1厘で、リーグトップを快走する。「大きな1勝だし、今日の勝ちを勢いにしていきたい」。ゴメスとの計152打点は、外国人コンビとして77年のブリーデン&ラインバックに並ぶ球団史上4位。「みそぎ」と言っては軽いかもしれないが、巨人との決戦を前に周囲を安心させる「復帰劇」だった。【近間康隆】