<楽天2-8西武>◇26日◇コボスタ宮城

 プロ初被弾に、悔しさを押し殺した。楽天松井裕樹投手(18)が開幕以来続けていた被本塁打0の記録が71回で途切れた。3回1死二、三塁、メヒアにど真ん中に入ったチェンジアップを完璧に捉えられた。ぼうぜんと見上げた打球がバックスクリーン右横へと飛び込むと、表情を取り繕うように大きく息を吐いた。「あのホームランがなかったら2点だったんで、勝負は分からなかった」と試合の流れを決めた5点目の1発に、唇をかんだ。

 48年ぶりの記録更新は、あっさりだった。堀内(巨人)が持つ70回1/3へ、あと1イニングと迫った2回。中村を簡単に料理した。内角高めの直球を2球続けて振らせて追い込むと、余裕たっぷりに仕留めた。カウント1-2からの5球目、外角低めのチェンジアップに2度の本塁打王経験者の体がクルリと回った。弾みをつけると、この回を抑えデビューから71回連続被本塁打0を達成した。しかし、直後の3回に5安打5失点。「あの回だけです」と敗戦の責任をかみしめた。

 嫌な予感は的中した。前日25日の練習中、菊池らにプロ野球記録がかかっていると言われた。すると「そういう時に限って打たれる!」と、聞かないふりをした。意識すれば、何かが起こる。記録は更新したが、(2勝)7敗目。星野監督は「下位を出すと上位につながる。ビッグイニングをつくる投球をしてたわ。ダメ。5点取られたらいい回もない」と突き放した。記録の重圧はなくなった。次は勝つために、必要なことをもう1度見直さなければならない。【島根純】

 ▼松井裕が3回、メヒアに26号を打たれ、開幕からの被本塁打0は71回でストップ。開幕から71回も本塁打を打たれなかった新人は61年山崎(巨人)の85回1/3以来で、高卒新人では56年米田(阪急)の89回2/3以来、58年ぶり。ドラフト制後(66年以降)の新人では、66年堀内(巨人)の70回1/3を抜いてデビューからの被本塁打0の最長記録となった。

 ◆投手の連続イニング記録の計算

 松井裕の被本塁打なしは試合前まで69回連続。3回1死後に本塁打を打たれたが、この1死は1/3として加算しないため71回連続でストップ。連続記録の計算では失点や四死球、本塁打などがあったイニングのアウトカウントを除き、前の回までを加算する。