<西武1-15オリックス>◇30日◇西武ドーム

 オリックス打線が大爆発だ。いずれも今季最多となる20安打、15得点の猛攻で西武を粉砕した。4番ウィリー・モー・ペーニャ外野手(32)が全力疾走で得た内野安打を口火に猛打がさく裂。首位ソフトバンクが敗れ、再び1・5差。熱パの火も、燃え上がってきた。

 助っ人の労を惜しまぬ姿勢が、打者一巡のビッグイニングを1試合に2度もつくった。4年ぶりの20安打と大爆発した打線に火をつけたのは、4番ペーニャだった。それは、豪快な本塁打ではなく、一塁への全力疾走が呼び込んだものだった。

 2回、先頭ペーニャの当たりは三塁ゴロ。三塁手浅村が深い位置で捕球したのを見て「チャンスだと思った」と、118キロの巨体を飛ばす。凡打になるところが間一髪セーフ。ここから1死満塁とし、押し出し四球で先制のホームを踏んだ。さらに打者一巡した2死満塁では2点適時打。この回6得点の猛攻を締めくくった。4回にも適時打し3安打3打点。「一生懸命走るのは当たり前だよ」と平然と言った。

 現在、リーグトップタイの27本塁打。とてつもないパワーが生み出す1発が注目されるが、ペーニャは「周囲は本塁打を期待するけど、狙っていない。ヒットでいかにチームを勝ちに持って行けるかなんだ」と話す。本塁打のタイトルよりも、欲しいのは優勝の栄冠だ。

 それは3番糸井も同じ。5回の7得点の猛攻で、16号3ランを放ち「つないでくれたので。みんなに打たせてもらった感じです」と、こちらも3安打3打点。打の主役2人がきっちり仕事をした。

 森脇監督もペーニャの内野安打を絶賛した。「打線爆発の前にはその原因がある。うちはそういう小さいことを大事にしてここまでやってきた。みんながしっかり躍動してくれたね」と満足げ。9月2日からのソフトバンクとの直接対決を前に1・5差に迫り、チームにも勢いがついた。【高垣誠】