<DeNA5-3巨人>◇8月31日◇横浜

 前半戦、DeNAを支えた井納翔一投手(28)が帰ってきた。7月25日以来となる勝利で、ハーラートップに並ぶ11勝目を挙げた。「1カ月間、本当に苦しかった。自分の勝ちよりチームが勝てたことが一番うれしいです」。1カ月ぶりのウイニングボールを手に笑みがこぼれた。チームの勢いに乗れず悔しい思いをした。前回までの4試合は19回2/3を17失点で0勝2敗。投球内容も結果も散々。悔しさのあまり、交代時に救援投手を待たずにベンチに下がってしまい、中畑清監督(60)から「ぶざまな投球をしても全く反省していない」と怒鳴られたこともあった。

 勝てない原因は分かっていた。ハーラートップに立つプライドのあまり「強く投げようとしすぎて自分を見失っていた」。8日のヤクルト戦で3回途中で7失点した翌日から行動を変えた。バントなどは練習前に終わらせ全体練習ではキャッチボール、トレーニングに時間を費やした。練習時間を充実させもう1度、自分を鍛え直した。

 その姿勢が結果につながった。この日は中盤に逆転されても乱れず、7回7安打3失点と踏ん張った。7回裏に井納の代打で出た松本がV打を放ち、白星につながった。「春先の時のように回転の良いボールが投げられた」。内容にも満足できた。

 チームは首位巨人に2カード連続で勝ち越し、8月は14勝10敗。明日2日からは5・5ゲーム差で追う3位阪神、7ゲーム差の2位広島と6連戦。CS争いへ重要な試合が続く。中畑監督は「トップ争いしているチームを相手に、けが人もいる中でどう戦うかが大事になる」。井納も勢いに乗り、さらに上を狙う。【細江純平】