<中日2-0阪神>◇7日◇ナゴヤドーム

 阪神ドラフト1位岩貞祐太投手(23)は必死に投げ続けた。「どうにかして勝ちたかったんですけれど」。自身最長の7回を投げ5安打2失点。チームで唯一の収穫と言える、孤軍奮闘ぶりだった。

 いきなりアクシデントに襲われた。初回2死から3番ルナの打球を右腰付近に受けた。顔をゆがませ、治療のためベンチへ。だが再びマウンドに戻ってくると、直後に4番平田を1球で打ち取った。「(腰は)大丈夫です」。痛がるそぶりは一瞬だけ。すぐに普段の姿に戻り、腕を振った。

 横浜商大での4年間で覚えたのは我慢。体に痛みを感じても、少々のことは監督にも明かさず、かかりつけの病院へ足を運んだ。医師のアドバイスを受けるだけでなく、休日も整体に通うほどコンディションに気を使うようになった。同期には今季楽天で40試合に登板している同じ左腕の西宮がいた。マウンドに立つには自分を知り、時に我慢も必要だった。

 2回には右翼狩野の失策をきっかけに、不運な内野安打で先制点を与えた。それでも前回8月31日ヤクルト戦と違い、直球を中心に攻めの投球を貫いた。最少失点で6回まで投げ抜いた。味方の援護はない中、痛恨の失点は7回2死二塁。代打谷へのスライダーが甘く入った。前進守備の外野を悠々と抜く左中間二塁打。打球直撃、味方の失策に無援護…。その結末に与えた2点目も「こっちは失点して、相手は0に抑えていた。負けてしまったら一緒なので」と言い訳しなかった。

 7回92球。試練は多く訪れたが「唯一の収穫といえばそういう(自身最長)ところだと思います」。同じ1敗でも我慢して、粘った。その姿はきっと、2勝目につながる。【松本航】