<中日2-0阪神>◇7日◇ナゴヤドーム

 虎が崖っぷちから立ち上がれない。中日に負け、今季初の同一カード3連戦3連敗。「勝負の月」と定めたはずの9月に、空回りの連続…。首位巨人も敗れ4・5差は変わらなかったけれど、自力で勝たなきゃ何も始まらない。明日9日から巨人、広島と6試合が待っているのに、勢いをつけることができなかった。

 悪夢の3日間だった。最後は2死二、三塁、一打同点の見せ場も代打関本が倒れた。シーズン大詰めに、やってしまった今季初の同一カード3連戦3連敗。49歳山本昌から36歳山井、34歳雄太とベテラントリオに次々ひねられた。奪った点は0、2、0。覇気なく散った11度目の完封負けに、どこか終戦ムードが漂っていた。

 和田監督

 それ(ゴメスの退場)を抜きにしても、ゼロじゃ勝てんな。3試合で2点しか取れてないから。今日は球を動かしてくる投手で芯で捉えられなかったけど、いずれにしても打線が奮起せんと。

 4番が退場した。途中で打線の軸を失ったが、序盤から術中にはまっていた。相手左腕の丁寧な投球に、21個のゴロアウトを積み上げた。それも力のない打球がほとんどで、7回まで得点圏に進めたのは2度。もどかしい攻めっぷりで、奮投していたルーキー岩貞を援護できなかった。

 気合も空回りした。2回2死一塁の守り。飛球を背走した右翼狩野がポロリとこぼした。攻守交代の流れが一転、2死二、三塁になった。ここで投手雄太に先制打を許してしまった。

 直後の3回、先頭狩野は汚名返上とばかりに右中間二塁打を放った。1死三塁となり、岩貞のゴロは前進守備の遊撃正面へ。狩野は果敢に本塁を狙うが間に合わず、三本間で刺された。和田監督は「ゴロストップだけど、あのエラーがあるから取り返したいという気持ちが」。自重して上本に託すべきだったが、責任感が状況判断をも狂わせた。

 和田監督

 可能性のある限りというか、何が起こるか分からないから、引き続き1戦1戦いくしかない。連敗止めるのもそうだけど、まずは頭を取って、もう1回波を持ってこれるような試合をしないと。

 明日9日からは甲子園で首位巨人と最後の3連戦になる。12日からは広島3連戦。逆転Vへはラストチャンスになるであろう勝負の9連戦が待つ。ナイターで巨人も広島も敗れたのは救いだが、夏場から「決戦」と位置づけていた大一番を前に、寂しく吹いてきたのは「終戦」の2文字。今年も失速癖が出てきたのか…。ファイティングポーズを崩さない虎将は、このまま終わるわけにはいかない。【近間康隆】

 ▼阪神が中日に3連敗し今季初めての同一カード3連戦3連敗。13年8月27日~同29日の巨人戦(東京ドーム)以来の同一カード3連戦3連敗。ナゴヤドームでは12年6月26日~同28日以来、2年ぶり。

 ▼阪神の今季ナゴヤドームでの中日戦は5勝7敗となり負け越しが決定。97年開場の同ドームは今季18年目だが、阪神が勝ち越したのは4シーズンしかない。