<ロッテ0-7西武>◇8日◇QVCマリン

 西武中村剛也内野手(31)が、前日の西武エルネスト・メヒア内野手(28)に続いて30号本塁打を放った。48本塁打で最多本塁打のタイトルを獲得した11年以来の大台。1回1死走者なし、カウント3ボール1ストライクからの内寄り速球を左翼ポール際に運び、キング争いで最多タイに並んだ。30号も4位浮上も通過点。まだまだ「おかわり」は続く。

 淡々と、黙々と。中村は、特別なことは何もないというばかりに、うつむきながらダイヤモンドを1周した。1回だ。1死三塁から、浅村の左前打が2失策(左翼デスパイネと藤岡)を誘い、打者走者まで生還して2点を先制した直後。落胆するロッテ先発藤岡の、心の隙を突く一撃だった。試合後は「詰まったけど、ギリギリ届きましたね」と、やはり淡々と言った。

 30号とは、リーグの先頭を走る“大台”だ。報道陣から「大台」との問いに「ん…?」と返答に困る、おかわり君がいた。「大台ですか?

 大台ではないです。40本以上、打ったことがあるので」と真顔で続けた。最多48号を2度。4度の本塁打王。真のアーチストにとって、30という数字は、心に訴える数字ではない。「早くにみんな打って、点を取れたのが良かったです」と初回に3点を奪ったことの方が、よっぽど心を晴れやかにした。メヒアとの争いは、結果としてチームの勝利に跳ね返る。だから「そうやって、これからも出ればいい」と素直に言える。

 11年以来4度目の30号。前回11年は両リーグ一番乗りだったが、当時は最下位だったこともあり「どうでもいい」と、自己記録については多くを話さなかった。チーム状況に比例し、自身のことは寡黙になるのが「おかわり流」。この夜4位に浮上したものの、最下位楽天と、実は1・5ゲーム差しかない。田辺監督代行は「万全な体調ではない中での30本は、価値ある30本だと思う」と最大級の賛辞を送るが、中村の姿から悔しさが消えることはない。

 この日、通販グルメ専門店「ベルーナグルメショッピング」で24日新発売の「無着色博多辛子明太子」と発売中の「数の子松前」のイメージキャラクター就任が決まった。そのポスターでは満面の「おかわり」スマイルで、丼飯を手にする。試合でもそんな笑顔を見たいものだ。【金子航】