<楽天5-4オリックス>◇8日◇コボスタ宮城

 またしても同じ失敗を繰り返した。楽天松井裕樹投手(18)が5回2死から崩れた。オリックスの9番伊藤への四球を皮切りに、4四死球。長短打合わせて3安打で4失点した。前回2日の日本ハム戦でも9番打者への四球から失点。下位打線で走者をため、上位打線に得点される悪いクセが出た。チームは今季6度目のサヨナラ勝ちをしたが、反省の見えない内容に星野仙一監督(67)は中継ぎへの配置転換を示唆した。

 先週のリプレー映像を見ているようだった。松井裕は5回2死から、突然崩れた。オリックス9番伊藤に四球を出すと、止まらない。単打と四球で満塁とし、迎えた3番ヘルマンへの7球目。外角低め139キロ直球を左中間へはじき返された。この日の90球目に浴びた走者一掃の適時3点二塁打に、視線が宙を泳いだ。動揺は隠せず、呼吸のたびに肩は大きく上下した。

 下位打線から走者をためて、上位打線に仕留められる。前回2日の日本ハム戦でも9番に四球を与えてから失点。同じように勝ちを逃し「同じことを繰り返し、内容のない投球になってしまった」とうなだれた。

 5回以降、90球から100球付近で崩れるのには理由がある。ギアをトップに入れられないのだ。投手陣を担当する星トレーナーはマニュアル車に例えた。

 星

 (前日のロッテ戦で113球で完封した)辛島はリリースまでにギアが5速まで入る。下半身から上半身まで、力のクラッチがかみ合うから、少ない力でリリースして球威のある球が投げられる。でも松井裕は力が安定しないから、2速か3速の状態でリリースしている。球速を出そうとすると、思いっきりアクセルを踏まないといけない。だから、ガス欠になる。

 セットポジションでの投球が顕著だ。走者を背負うと体の開きが早くなり、上半身の力で体のブレを抑え込もうとする。するとリリースが安定せず、体力の消耗が激しくなる。ますます力を込めるため、バランスが崩れていく。

 劇的なサヨナラ勝ちにも星野仙一監督(67)は「先発投手がダメだ。同じ失敗を繰り返して。反省しとらん。ええかげんにせえよ!

 先発外すかもしれん」と怒りを爆発させた。松井裕に立ちはだかる中盤の壁。乗り越えられなければ、先発としての未来はない。【島根純】