<阪神2-8巨人>◇9日◇甲子園

 巨人坂本勇人内野手(25)が虎に引導を渡した。今季7度の対戦で4敗を喫している阪神メッセンジャーに対し、初回に14号2ランで主導権を握った。4回は先頭で左前打を放ち、四球を挟んでの5連打の起点となり一挙6得点のビッグイニングを生み出した。勝負の秋に本領を発揮し、3位阪神とのゲーム差を5・5に広げてV戦線からライバルを振り落とした。

 坂本が天敵に一撃を見舞った。初回1死二塁。初球、メッセンジャーがボール気味の高めのカーブを投じてきた。前回対戦では想定外の決め球に2三振。今回は初球に選択してきたが、完璧なタイミングで打ち返した。広大な甲子園の深い左中間に運ぶ14号2ラン。「さすがに初球カーブの意識はなかった。甘い球が来たので自然と反応した。緩いボールをためて打てたのは、いい感じだと思う」と充実の内容に納得した。

 メッセに今季4敗を喫し、登板試合7戦で1勝6敗とかもにされた。だが4回には坂本の左前打を起点に今季最短の3回0/3、8失点でKOした。リーグ戦では最後の対戦が濃厚だが、再戦の可能性があるポストシーズンへ価値がある。原監督も「やられっぱなしだから良かった」と満足した。

 勝負の秋を迎え、坂本が好調だ。8月は打率2割3分8厘と低調も、9月は3割6分。この数字がこの1年の成長を物語る。昨年8月は2割5分4厘、9月は2割とさらに低下。1年前は右足首を痛め、甲子園ではプロ初の一塁手での先発に追い込まれた。だが今年は体調も万全。精神的にも骨太だ。8月29日のDeNA戦で3三振を喫した時は報道陣に「正月でも来たんですか?」と軽くジョークを飛ばす余裕があった。

 この日は7、8回にはセンター前に抜けそうなゴロを好捕。9個のゴロアウトをさばいた。「今年は状態もいい。維持して去年の二の舞いにならないようにしたい」と意識が高い。

 勝負の秋、そして食欲の秋でもある。前日8日は原監督ら首脳陣がカンパしてマツタケを買い集めて、チームに振る舞った。秋の味覚の王者を食し、3連覇へ英気を養った。原監督は「最高の試合だったと思う。なかなか今年のジャイアンツで見られなかったが、甲子園に来てここで出た」と言った。阪神に引導を渡し、収穫の秋が近づいている。【広重竜太郎】