<阪神2-8巨人>◇9日◇甲子園

 首からタオルを掛け、阪神ランディ・メッセンジャー投手(33)は眉を下げた。先発投手が座るベンチ左後方に、イニング途中でとぼとぼと戻った。ほえることもなければ、顔を紅潮させることもない。ぼうぜん自失だった。スーパームーンが何かを狂わせたのか…。それほど衝撃的なやられ方だった。

 「ゲームをつくることが出来ず、早いイニングでマウンドを降りることになってチームに申し訳ないです」

 試合後も淡々と言葉を紡ぎ、ロッカールームへと消えた。無理もない。1回1死二塁から坂本に抜けたカーブを2ランにされた。今季巨人戦4勝無敗の男が、1発で先制点を奪われた。ただこれは失投だった。目を覆いたくなるような展開となったのは4回だ。和田監督が「(初回の本塁打で)カーブを消してしまった」と評したように、配球にも偏りが生じた。

 先頭の坂本に左前打を許すと、四球を挟んで5連打を食らった。浅いカウントから打たれ、内角攻めも裏目に出た。5連打はすべて中堅から左。亀井を除いて引っ張られ、三遊間を割られた。止まらぬ惨状に、たまらず和田監督がベンチを出た。今季最短の3回0/3、今季ワーストタイの8失点で、まさかの交代だった。

 「なんとか粘らないといけなかった。不運な当たりも多かった。積極的に打ってきたのは、策略なのかな」

 チーム状況がよくないなかで、大黒柱にかかる期待は大きかった。球団ではバッキー、キーオ以来の巨人戦5勝も、球界では95年ブロス(ヤクルト)以来の対巨人戦開幕5連勝も消えた。だが、メッセは今後中4日で14日広島戦(甲子園)に回る予定。このままでは終われない。68球で降板したことを好材料に、次戦に向かう。【池本泰尚】

 ▼メッセンジャーが今季最短3回0/3、ワーストタイの8失点で降板した。ここまで今季27試合先発し、5回未満で降板したのは7月27日広島戦(マツダスタジアム)の4回0/3(5失点)以来、3度目だった。4回ももたなかったのは昨年8月20日DeNA戦(横浜)3回1/3(6失点)以来。