<広島1-2中日>◇11日◇マツダスタジアム

 竜が執念の3連敗阻止だ。CSが絶望的となっても、誰も勝負師のプライドは捨てていない。1球のフェア、ファウルを巡る判定で、谷繁元信兼任監督(43)&森繁和ヘッドコーチ(59)のダブル首脳が体を張った。

 1点リードの8回だった。無死一塁で谷繁兼任監督が小窪の捕前バントを処理。二塁送球して捕-遊-一のピンチ脱出の併殺が完成したかに見えた。だが吉本球審の判定はファウル。フェアと確信していた谷繁監督は審議を求めたが覆らず、森ヘッドが出場中で抗議権のない指揮官の代行として猛抗議に出た。

 顔を球審の間近に近づけ、猛烈な口調で食い下がった。だが抗議は制限内の5分を超え、中日では初、02年横浜コーチ時代以来の退場が宣告された。森ヘッドは「何も話さないよ」と口を閉ざした。だが首脳陣が示した1球入魂に、ナインが燃えないはずがなかった。

 無死一塁のまま再開され小窪には犠打を決められたが又吉が踏ん張った。代打中東を三ゴロに打ち取ると、一塁森野は三塁を狙った天谷を逃さず好送球でアウトにした。9回は福谷が締めて1点差逃げ切り。森ヘッドに代わり、異例の“代行の代行監督”を務めた辻内野守備走塁コーチにウイニングボールが届いた。

 谷繁兼任監督は森ヘッドの退場について「わざとでしょう」と不敵に笑った。ナインをより発奮させるための芝居説?

 はさておき、又吉は「0に抑えることしか考えてなかった」と闘魂ピッチ。広島戦の連敗を6で止める激辛スパイスになったことは間違いない。残り15試合。竜は最後の最後まで熱く戦う。【松井清員】