<阪神8-2広島>◇12日◇甲子園
阪神の重苦しいムードを打ち破ったのは、やはり主砲マウロ・ゴメス内野手(30)だった。1点を先制されて迎えた4回1死一、二塁。福井のシュートを力で左前へ。この同点打が6連敗中の猛虎打線をたたき起こした。
「しっかりと打てる球を待って、シュートがきたんで。自分が打てば点が入ると思っていた」
チームは連敗中、6試合でわずか7得点にあえいでいた。ゴメスもヒットこそ出ていたが、打点は「1」だった。負ければ負けるほど、無得点が続けば続くほど、4番にかかる重圧は大きくなっていた。
だが、ゴメスがリーグトップの95打点目で同点とすると、そこから福留の押し出し四球、伊藤隼の2点打、鶴岡の犠飛と次々と得点が生まれた。あらためて、4番打者として存在の大きさを示した。
「(この日の勝利が)きっかけになってくれれば。今日みたいな感じで明日も勝ちたい」
試合後、球場を後にするゴメスの右膝には氷袋が巻かれていた。127試合を戦い抜いてきた体が万全なはずもない。ただ、グラウンドではそんなそぶりも見せない。足を引きずりながら帰路に就く姿に、4番を背負う男の覚悟がにじんだ。【鈴木忠平】



