<巨人2-0DeNA>◇13日◇東京ドーム
ミスター・セプテンバーだ!
巨人長野久義外野手(29)が0-0で迎えた8回2死一、二塁で好投のDeNAモスコーソから左中間を破る決勝の二塁打で、均衡を打ち破った。右ひざ痛を抱えるが、9月に入り、9勝中3度の決勝打と勝負強さをいかんなく発揮。5連勝で勝負の9連戦の勝ち越しも決め、リーグ3連覇へのマジックを13とした。
ヒーローなのに謝っていた。長野にとって今月4度目のお立ち台。ともに呼ばれた先発小山に対し「何とか早い回に点を取りたかったけど…取れなくてゴメン!」と頭を下げた。7回無失点と勝利の立役者だったが、勝ち星をつけられなかった。仲間思いの長野らしい光景だった。
モスコーソに対し、ほとんどなかった得点機が、8回に訪れた。2死から片岡が二塁打、代打井端が四球で続く。「2死からヤスさん(片岡)と井端さんがつないでくれた。何とか打ちたい」。フルカウントと粘りながら、最後に甘く入った外角スライダーを上からたたいた。左中間を破る2点適時二塁打で、ついにスコアを動かした。
右膝は悲鳴を上げている。8月21日のヤクルト戦で負傷し、9月に入り、先発復帰。3割4分9厘、2本塁打、13打点と無双の働きを見せるが、痛みは消えない。この日の午前9時半。「こんなんですよ…」。右足を引きずり、球場入りした。手には「リアルゴールド」。栄養ドリンクで、何とか傷ついた肉体を奮い立たせようとした。
自分は角でいい-。仲間を主役へ押し出そうとする思いも、力の源になる。追加点の2ランを放った3日の広島戦もヒーローインタビューを要請された。「今日は小山のお姉さんが誕生日なんです。(勝利投手の)小山を立たせて下さい」と譲ろうとした。5回1失点と首脳陣が先発投手のノルマに掲げる7回に達しなかったため、ヒーローは変わらなかった。だが小山も思いをくみ取り、この日は7回を投げ抜き、勝ち投手と同等の内容を残した。
3連覇への加速ぶりを長野は表現する。「8、9月はしびれる試合が多い。そこに勝てるチームが優勝に近いチーム。小山も健太朗(西村)もスコット(マシソン)も頑張っていた。みんなで勝つことができた」。控えめな人柄でも、その働きは間違いなくヒーローだ。【広重竜太郎】
▼長野が8回に決勝の2点適時安打。これで9月の長野は43打数15安打、打率3割4分9厘で13打点。4日広島戦、6日ヤクルト戦に次いで今月3度目のV打点となり、9月の13打点はセ・リーグトップだ。長野は8月も打率3割2分8厘。この3年の7月終了時と8月以降の打率を出すと年度7月終了→8月以降
12年・281→・335
13年・257→・324
14年・282→・336
7月終了時には打率2割台も、8月以降は打率3割台で連覇に貢献。今年も8月から調子を上げてきた。



