<中日1-2ヤクルト>◇13日◇ナゴヤドーム

 中日が4位浮上のチャンスを逃した。1-0の8回。首脳陣はこれまでリードの場面で8回を任せてきた又吉ではなく祖父江を投入。その祖父江が飯原、バレンティンに連打で無死二、三塁とすると、雄平には甘くなったチェンジアップを右前に転がされた。あっという間に走者2人が生還。試合序盤から保ってきたリードは、ほんの数分でひっくり返った。

 ベンチの苦悩が透けて見えた。9連戦とシーズン終盤のハード日程。ブルペンに疲労がたまっている。今季58試合に登板している又吉は11日広島戦から2連投中。今後の日程もにらみつつ、9試合連続無失点の祖父江を送り込んだ。結果的には又吉温存が裏目に出たが、そうせざるを得ない事情もあった。

 得点は森野のソロ本塁打による1点だけだった。谷繁元信兼任監督(43)も歯がゆい展開に「うまく試合を運ぶことが出来なかった」と渋い表情だ。1時間早く試合が始まっていた4位DeNAが敗れ、勝っていれば順位が入れ替わっていた。3位阪神とも4ゲーム差…。奇跡のCS進出に光が差すはずだった。それはすべて「たら・れば」の話。今日14日の先発は49歳山本昌。この閉塞(へいそく)感を破るのは、レジェンドしかいない。【桝井聡】