<日本ハム2-7オリックス>◇14日◇札幌ドーム

 今季限りで現役を引退する日本ハム稲葉篤紀内野手(42)が侍ジャパンのコーチに就任することが14日、分かった。11月に開催され、大リーグ(MLB)選抜と対戦する「2014

 SUZUKI

 日米野球」で打撃担当コーチを務める見込み。近日中に正式発表される。昨年も現役選手ながら同職を務めた。国際大会での豊富な経験値を買われ2年連続で白羽の矢が立った。来季は日本ハムには入閣せず、代表での指導に専念する可能性も出てきた。

 去就が注目されていた稲葉の引退後の「初仕事」が、要職に決まった。複数のNPB関係者ら周辺の情報によれば正式に打診を受け、既に快諾したもよう。近日中に正式に発表される見込みの小久保監督率いる今回のコーチングスタッフの1人として、名を連ねることになった。侍ジャパンが発足した昨年も現役選手ながら選出されており、2年連続の入閣。前回同様、打撃コーチに就任することが濃厚とみられる。

 適任といえる。08年北京五輪に出場し、メダルこそ逃したが主軸として活躍。翌09年の第2回WBCでは中心選手として2大会連続の世界一に貢献。13年の第3回大会にも最年長で選ばれた。豊富な国際大会の経験を誇り、選手の技術面、精神面などをサポートするには打ってつけだ。

 2日の引退会見で日の丸を背負って戦う意義を力説していた。選手としての価値を高める大きなきっかけが、国際大会。今度は指導者として恩返しする機会を得ることになった。「いろんな若い選手を育てていきたいなという夢は持っています」。そう明かした望みが最高のステージでかなうことになる。

 日本ハム側は本人の意向を尊重して、快く送り出す方向とみられる。今後の野球界全体の発展を担う存在となるのが侍ジャパン。継続的に指導する可能性がある稲葉を代表に「専任」させるべきとの考えもあるようだ。来季は入閣せずに侍ジャパンの活動に支障がない、何らかの形で球団に携わるプランを検討することも視野に入れているようだ。稲葉と意見調整して最終結論を出すが、まずは日の丸を背負い、第2の人生をスタートする。