<日本ハム2-7オリックス>◇14日◇札幌ドーム

 ブリブリだ!

 オリックスが2本の「記念弾」で快勝した。6回に平野恵一内野手(35)が2年ぶりの1号を打ち、T-岡田外野手(26)が4年ぶりの20号2ランで続いた。首位ソフトバンクと3・5ゲーム差に詰め、6年ぶりのクライマックスシリーズ出場確定まであと2勝とした。

 5回まで散発3安打。3回は無死三塁の絶好機を逃した。重苦しいムードは6回に一変。先頭平野恵が内角高め直球を引っ張って右翼席に運んだ。

 「内角を引っ張る意識は、ぼくは常に持っています。なめるな!

 の思いで」。阪神時代の12年6月24日DeNA戦にさかのぼる本塁打は、意地と鼓舞の1発だった。前日13日は8回の同点機で併殺に倒れ、日本ハム大谷に完封された。「昨日のことは引きずらない。だからうちは大きい連敗はしていないでしょ」と次へと目を向ける。

 T-岡田は2死一塁での2ランで、本塁打王を取った10年以来の20号だ。「タイトル争いしているわけじゃないので」と数字への思いは語らなかったが、11年以降の辛酸は忘れない。

 昨年は不振に夏の右手中指靱帯(じんたい)負傷で4本塁打どまり。オフに104キロから98キロに減量し「これからの野球人生がかかる1年になる」と覚悟を決めた。「昨年は本当に苦しかった。あの1年があるから今年があります」と言える日が来た。タイトル争いにからまなくても、優勝争いまっただ中の状況が飛距離を伸ばす。【堀まどか】