<西武9-1楽天>◇15日◇西武ドーム

 初安打が初本塁打だ。西武ルーキー山川穂高内野手(22)が2回1死走者なし、先制のソロを放った。1-1からの高め直球。「ちょっとガッツいちゃいました」と、普段なら手を出さないボール球を、バックスクリーン右に運んだ。船出が本塁打。「プロに入ってから本塁打にこだわってきたので、うれしい」と満面の笑みで言った。

 1軍では7試合15打数無安打。1軍に上がると力んで打撃を崩し、2軍降格の繰り返し。無安打の日々は「正直、つらかった」。周囲は「15タコなんて気にすんな」と励ましてくれるが、結果欲しさは募るばかり。田辺監督代行からも「もっと楽に立て」。中村からは「引っ張りすぎ。センターから右へ」と助言をもらった。

 2軍が長く、ストッキングを出すパンツしか持っていなかったが、荒川ブルペン捕手に借り、この日はくるぶしまで隠れるパンツで臨んだ。沖縄からは母と祖父母も応援に駆け付けた。「オジー自慢のオリオンビール♪」。BEGINの歌う新たな登場曲に乗せて、オジー自慢の孫はヒーローになった。苦しみと試行錯誤を経ての1発。スタートはこれからだ。【金子航】

 ◆山川穂高(やまかわ・ほたか)1991年(平3)11月23日、沖縄県生まれ。中部商-富士大を経て13年ドラフト2位で西武入団。今年のフレッシュ球宴では、全イースタンの4番で本塁打。176センチ、105キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1200万円。