<ヤクルト5-3阪神>◇16日◇神宮

 阪神福留孝介外野手(37)が反撃の合図となる1発を放った。2点を追う4回、2死走者なし。ストレートを5球続けてきた相手バッテリーに、2ストライクと追い込まれた後だった。低めぎりぎりの変化球に体が反応した。

 「反応できたっていう感じかな。(変化球を)頭に入れながらいった。追い込まれていたから、うまく反応できたのかな」

 難易度の高い打撃から繰り出された打球は右翼スタンドへ。1点差に迫る反撃の7号ソロだった。この1発をきっかけに打線がヤクルト先発徳山をとらえ始めた。続く5回には大和、鳥谷のタイムリーで逆転した。

 ただ、6回に先発岩田が逆転弾を許すと、打線はそのままヤクルトのリリーフ陣に封じられた。福留も8回2死三塁のチャンスでは直球を打ち損じ、三塁ファウルフライに倒れた。本塁打の場面から一転して、虎党の深いため息を浴びた。

 「また、明日だね」

 今シーズンは自身が本塁打を放った試合は6戦全勝だった。“不敗神話”の継続はならなかったが、敗戦の後はすぐに気持ちを切り替えていた。【鈴木忠平】