<ヤクルト5-3阪神>◇16日◇神宮

 再逆転する力はなかった。阪神は相手を上回る7安打を放ちながら、終盤の逸機が響いた。1点を追う8回に先頭鳥谷が二塁打。絶好の同点機に、頼みのゴメスとマートン、福留が倒れた。和田豊監督(52)は「あそこはクリーンアップで勝負だからね」と勝負強い3人に期待したが、ルーキー秋吉に封じられた。

 マウロ・ゴメス内野手(30)は5回、鳥谷の適時打で3-2と逆転して、なおも2死一塁で、プロわずか1勝の3年目徳山の外角球にバットが空を切った。球団ワーストのシーズン153三振。10年ブラゼルに並ぶ虎の最多三振に「打てる球を狙って打席に入っていったけど、ああいう形になってしまった」と下を向いた。

 GとともにMも音無しだった。試合前まで神宮で打率6割1分1厘だったマートンもチャンスに不発。互いに無安打に終わり、マートンは連続安打を11試合、ゴメスは7試合でストップした。セ首位打者を走るマートンは切り替えた。「打席の中ではいい形でいけたけど、相手がいいところに攻めてきた。感覚は悪くないので、また明日からやっていきたい」。足踏みしている暇はない。

 ▼ゴメスが5回徳山に空振り三振。10年ブラゼルが記録したシーズン153三振の球団ワーストに並んだ。セ・リーグ記録は04年岩村(ヤクルト)の173個。プロ野球記録は93年ブライアント(近鉄)の204個。