<西武0-5日本ハム>◇17日◇西武ドーム

 痛快に、唯一の打席で大仕事を果たした。日本ハム陽岱鋼外野手(27)が、超早業でプレミアムな一打を放った。1回1死二塁。アクシデントを乗り越えた。カウント2ボールからの3球目。自打球が左足甲に直撃。苦悶(くもん)の表情で右膝から崩れ落ちた。1度、ベンチ裏で治療後に打席へ戻ると豪快なアーチを左翼席へ運んだ。先制の22号2ラン。心配していたチームメートを笑顔にさせる一振りが決勝弾になった。

 ファンの前でプレーしたのは約5分間も、活躍は主役級だった。1回裏、グラウンドに陽の姿はなかった。大事を取って途中交代。打線の核の1人が抜ける異常事態も先発木佐貫の好投、稲葉の代打2号ソロなどで完勝。すべての流れを持ってきたのは、頼りになる3番打者だ。痛みを押して、フルスイングした姿は同僚を勇気づけた。

 勝利の瞬間は、少しだけ間に合わなかった。試合中に所沢市内の病院へ向かった。MRI検査を行い、左足関節甲部の打撲と診断された。球場へ戻ってきたのは試合終了の約10分後。「(患部は)痛いです。ちょっと腫れがある」。さすがに本塁打を振り返る余裕はなかったが、西武ドーム名物の長い階段も確かな足取りで上っていった。

 明日19日の楽天戦(コボスタ宮城)の出場は当日の様子を見て判断されることになる。報告を聞いた栗山監督も「そんなに(症状は)重くなさそう」と安堵(あんど)した。打点はこの日の2打点で69打点となり、自己最多を更新。9月は打撃好調の3番打者が効率よく活躍し、大きな勝利に導いた。【木下大輔】