<巨人6-7ヤクルト>◇21日◇東京ドーム

 巨人は最後の詰めを誤り、延長戦でヤクルトに敗れた。2点リードの9回、抑えのスコット・マシソン投手(30)が2失点し延長へ。勝ち越された10回に大田の適時打で追いつくも、11回、7番手の江柄子が山田に決勝ソロを打たれた。すいすい減らしてきた優勝マジックは5で変わらず。リーグ3連覇は、最短で25日の中日戦(ナゴヤドーム)となった。

 原監督は「9、10、11回で4点取られたよね。こうなると、なかなか支配するのは難しいよね」と端的に言った。9回マシソン、10回西村、11回江柄子。全員が失点した。前者2人は制球を乱した。マシソンは高く抜けた直球が暴投。西村健太朗投手(29)は変化球が低めに引っかかり、捕逸が記録された。実力者はもちろん猛省だが、捕手小林も、何が何でも両方、止めてほしかった。「阿部なら…」を抱かせてしまうと、この先の大きな試合で、全幅の信頼を置いて本塁を任せられなくなる。1軍を守り、地道に研さんを積んできた。1年目の集大成を見せるときだ。

 東京ドームでの次戦は、10月3日までない。残念ながら、巨人好きの前で舞えない可能性が極めて高い。1回、阿部の通算300二塁打。2回、インハイを砕いた亀井のソロ。5回、外角変化球を運んだ坂本の2ラン。技術でライアンを上回った5得点が鮮やかだった。4時間10分のロングゲームで、たっぷりと元気な姿を披露したと思えばいい。あと5勝。引き締めて最後のアタックをかける。【宮下敬至】